
出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題」
生物多様性国家戦略2023-2030に記載された、日本の固有種比率、開発による生態系への圧力、里地里山の現状、外来種の影響、温暖化による生物分布の変化についての記述の正誤を判定する問題。
生物多様性国家戦略2023-2030に記載された、日本における生物多様性に関する5つの記述のうち、最も不適切なものを選ぶ問題。
① 生物多様性の4つの危機のうち「第2の危機」=里地里山の手入れ不足(利用の縮小・放棄)による生息地の減少
② ③は減少の原因を「利用拡大」としており逆
③ ③
里地里山における野生生物の生息・生育地の減少は、農地・水路・ため池・農用林などの「利用の縮小・放棄」(過疎化・高齢化による管理放棄、いわゆる里山離れ)によって引き起こされているとされており、これは生物多様性国家戦略における「第2の危機」(自然に対する人間の働きかけの縮小によって引き起こされる危機)として位置づけられている。したがって「農地、水路・ため池、農用林などの利用拡大等により、里地里山を構成する野生生物の生息・生育地が減少した」とする③の記述は、実際の原因である「利用の縮小・放棄」を「利用拡大」と正反対に説明しており誤りであり、これが正答(最も不適切なもの)である。
生物多様性国家戦略で整理される4つの危機のうち、里地里山の劣化は「自然に対する人間の働きかけの縮小」(過疎化・高齢化による耕作放棄・森林管理の停滞など)が原因である「第2の危機」に分類される。「開発・改変」(第1の危機)による圧力とは原因のメカニズムが逆(利用の拡大ではなく縮小)である点を混同しないよう注意する。
キーワード: 生物多様性、里地里山、外来種、環境・エネルギー・技術