令和2年度 I-4-5

科目: 基礎科目 / 分野: 材料・化学・バイオ / 年度: 令和2年度

I-4-5 問題画像

出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題」

アルコール酵母菌のグルコースを基質とした好気呼吸とエタノール発酵の化学反応式から、吸収した酸素量とグルコース消費のモル比が与えられたときの二酸化炭素発生量を計算する問題。化学量論計算が必要。

解説

この問題で問われていること

アルコール酵母菌が酸素を2モル吸収し、好気呼吸で消費されたグルコースとエタノール発酵で消費されたグルコースのモル比が1:6であるときの、二酸化炭素発生量を求める問題。

解き方

① O₂を使うのは好気呼吸だけ。好気呼吸はグルコース1につきO₂ 6・CO₂ 6、エタノール発酵はグルコース1につきCO₂ 2
② 好気呼吸のグルコース=2÷6=1/3モル→CO₂ 2モル。発酵のグルコース=1/3×6=2モル→CO₂ 4モル
③ 2+4=6モル(③)

正解が正しい理由

好気呼吸の反応式C6H12O6+6O2+6H2O→6CO2+12H2Oより、酸素を消費するのは好気呼吸のみであり、O2消費量2モルから好気呼吸で消費されたグルコースは2/6=1/3モルとなる。好気呼吸とエタノール発酵で消費されたグルコースのモル比が1:6であるため、エタノール発酵で消費されたグルコースは(1/3)×6=2モルとなる。好気呼吸から発生するCO2は6×(1/3)=2モル、エタノール発酵の反応式C6H12O6→2C2H5OH+2CO2より発生するCO2は2×2=4モルであり、合計するとCO2発生量は2+4=6モルとなる。したがって③が正しい。

この問題で必要な基礎

■ 化学反応式の係数は個数(モル数)の比
反応式の各物質の前の数字(係数)は、反応する分子の個数の比を表します。個数の比はそのままモル数の比なので、好気呼吸の式からは「グルコース1モルあたり酸素を6モル使い、CO₂を6モル出す」、エタノール発酵の式からは「グルコース1モルあたりCO₂を2モル出す(酸素は使わない)」ことが読み取れます。

■ 酸素から出発する理由
酸素を使うのは好気呼吸だけなので、吸収した酸素2モルから、好気呼吸に使われたグルコースの量(2÷6=1/3モル)がまず決まります。

各選択肢について

覚えるべきポイント

この問題では、酸素を消費するのは好気呼吸のみであるという点に着目し、まず酸素消費量から好気呼吸で消費されたグルコースの量を逆算する。次に与えられたモル比からエタノール発酵で消費されたグルコースの量を求め、それぞれの反応式の係数を用いてCO2発生量を計算し、最後に合算するという段階的なアプローチが重要である。

キーワード: 好気呼吸、エタノール発酵、化学量論、材料・化学・バイオ