
出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題」
H2S・Mn(単体)・MnO4⁻・NH3・HNO3のうち、下線を付けた原子の酸化数が最小(最も負に大きい)ものを求める問題。酸化数の計算規則の理解が必要。
H2S中のS、単体Mn、MnO4⁻中のMn、NH3中のN、HNO3中のNという5つの原子について、それぞれの酸化数を計算し、最小(最も負の値が大きい)のものを選ぶ問題。
① H=+1、O=−2、酸化数の合計=全体の電荷。単体は0
② H₂SのS: 2+S=0→−2、Mn(単体)0、MnO₄⁻のMn: +7、NH₃のN: N+3=0→−3、HNO₃のN: +5
③ 最小はNH₃のN(④)
各原子の酸化数を計算すると、①H2SのSは、Hの酸化数+1×2=+2と分子全体の酸化数0からS=-2、②単体のMnは酸化数0、③MnO4⁻のMnは、Oの酸化数-2×4=-8とイオン全体の電荷-1からMn=+7、④NH3のNは、Hの酸化数+1×3=+3と分子全体の酸化数0からN=-3、⑤HNO3のNは、Hの+1とOの-2×3=-6と分子全体の酸化数0からN=+5となる。これらの中で最小の値はNH3のN=-3であるため、④が正しい。
■ 化学式の読み方
・右下の小さい数字(H₂Sの「2」、NH₃の「3」など)は、その原子の個数です。酸化数を合計するときは、この個数を掛けます。
・右上の記号(MnO₄⁻の「−」)は、そのイオン全体の電荷です。MnO₄⁻は全体で−1なので、酸化数の合計が−1になるように計算します。
・Mnのように1種類の元素だけでできた物質(単体)の酸化数は0です。
酸化数の計算では、化合物・イオン全体の酸化数の合計が(分子なら0、イオンならその電荷)になるという規則を使い、水素は通常+1、酸素は通常-2として、残りの原子の酸化数を逆算する。単体の原子の酸化数は常に0である点も基本として押さえておく。
キーワード: 酸化数、酸化還元、材料・化学・バイオ