
出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題」
すず・銀・銅からなる合金の質量分率をモル分率に変換する計算問題。原子量を用いて各成分の物質量を求め、モル分率を算出する知識が必要。
質量分率ですず96.5%、銀3.00%、銅0.500%からなる合金の組成を、モル分率[%]で表したときの値の組合せを求める問題。
① 重い原子ほど、モル分率は質量分率より小さくなり、軽い原子ほど大きくなる
② すず(118.7、最も重い)は96.5%より小さい→④⑤、銅(63.5、最も軽い)は0.500%より大きい→②⑤
③ 両方満たすのは⑤
合金100gを基準に考えると、すずの物質量は96.5/118.7≒0.8130mol、銀は3.00/107.8≒0.02783mol、銅は0.500/63.5≒0.007874molとなる。全体の物質量は0.8130+0.02783+0.007874≒0.8487molなので、すずのモル分率は0.8130/0.8487≒0.958すなわち95.8%、銀は0.02783/0.8487≒0.0328すなわち3.28%、銅は0.007874/0.8487≒0.00928すなわち0.928%となる。したがって⑤が正しい。
■ 原子量と物質量
原子量は、その原子1mol(モル。原子の個数のまとまり)あたりの質量をg(グラム)で表した値です。したがって、質量(g)÷原子量で、その原子が何molあるか(物質量)が分かります。
■ 質量分率とモル分率の違い
質量分率は「重さの割合」、モル分率は「原子の個数の割合」です。重い原子は少ない個数で重さを稼ぐので、同じ質量分率でも、重い原子ほどモル分率は小さく、軽い原子ほど大きくなります。
質量分率からモル分率へ変換する際は、まず基準となる質量(例えば100g)を決め、各成分の質量を原子量(モル質量)で割って物質量[mol]を求め、その物質量の比(各成分の物質量÷全体の物質量の合計)としてモル分率を計算する。質量分率をそのままモル分率と混同しないよう注意する。
キーワード: 質量分率、モル分率、合金組成、原子量、材料・化学・バイオ