
出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題」
日本学術会議の声明「科学者の行動規範について」(平成18年決定、平成25年改訂)について、研究成果の公表と責任、市民との対話・政策形成への科学的助言、公正な助言、政策決定との関係に関する(ア)〜(エ)の記述の正誤の組合せを選ぶ問題。
「科学者の行動規範」に関する4つの記述(ア〜エ)の正誤の組合せを選ぶ問題。
① 科学者の行動規範(日本学術会議): 不正をしない、市民との対話、公正な科学的助言(不確実性や見解の多様性も説明する)、科学は政策決定の唯一の根拠ではない
② (イ)「意見が違うときは多数決で統一見解にしてから助言」は×(多様な見解を説明する)
③ ○・×・○・○(②)
(ア)科学者は、研究成果を論文などで公表することで、各自が果たした役割に応じて功績の認知を得るとともに責任を負い、研究・調査データの記録保存や厳正な取扱いを徹底し、ねつ造、改ざん、盗用などの不正行為を為さず、また加担しない。正しい(○)。(イ)科学者は、社会と科学者コミュニティとのより良い相互理解のために、市民との対話と交流に積極的に参加し、政策立案・決定者に対して、政策形成に有効な科学的助言の提供に努める。その際、科学者の合意に基づく助言を目指すが、意見の相違が存在するときは、その内容を分かりやすく説明する(多様な意見を示す)ものとされ、科学者コミュニティ内での多数決により統一見解を決めてから助言を行うとする記述は誤り(×)。(ウ)公共の福祉に資することを目的とし、客観的で科学的な根拠に基づく公正な助言を行い、権威を濫用せず、科学的知見に係る不確実性及び見解の多様性について明確に説明するという記述は正しい(○)。(エ)科学的知見が政策形成の過程において十分に尊重されるべきものであるが、政策決定の唯一の判断根拠ではないことを認識し、科学者コミュニティの助言とは異なる政策決定が為された場合、必要に応じて政策立案・決定者に社会への説明を要請するという記述は正しい(○)。したがってア○、イ×、ウ○、エ○の②が正しい。
科学者の行動規範では、研究不正(ねつ造・改ざん・盗用)の禁止、政策形成への公正な科学的助言(不確実性と見解の多様性の説明、権威の濫用の禁止)、科学的知見は政策決定の唯一の根拠ではないことの認識などが示されている。意見が分かれるときは、統一見解を作るのではなく、多様性を明確に示す。
キーワード: 科学者の行動規範、日本学術会議、科学的助言、研究不正、デュアルユース、適性科目