
出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題」
xy平面内に置かれた、x方向の辺の長さがa、y方向の辺の長さが2aの均質で薄い長方形の板について、x軸・y軸・z軸まわりの慣性モーメントI_x、I_y、I_zのうち最大のものを選ぶ問題。
x方向の辺の長さa、y方向の辺の長さ2aの薄い長方形の板の、x、y、z軸まわりの慣性モーメントの大小を比較する問題。
① 薄い板では、面に垂直な軸まわりの慣性モーメントI_z=I_x+I_y(直交軸の定理)
② よってI_zはI_xとI_yのどちらよりも必ず大きい(計算するとI_x=ma²/3、I_y=ma²/12、I_z=5ma²/12)
③ 最大はI_zのみ(③)
板の質量をmとする。x軸まわりの慣性モーメントは、x軸から離れた距離y方向の広がり(2a)で決まり、I_x=m(2a)²/12=ma²/3。y軸まわりは、x方向の広がり(a)で決まり、I_y=ma²/12。z軸まわりは、薄い板では直交軸の定理より、I_z=I_x+I_y=ma²/3+ma²/12=5ma²/12。よってI_z(5/12)>I_x(4/12)>I_y(1/12)で、最大はI_zのみで、③が正しい。
■ 慣性モーメント
慣性モーメントは、ある軸のまわりの「回しにくさ」です。軸から遠いところに質量が多いほど大きくなります。
■ どの広がりが効くか
・x軸のまわりに回すとき、x軸からの距離はy方向の位置(とz方向)で決まるので、板のy方向の広がり(2a)が効きます。
・y軸のまわりでは、x方向の広がり(a)が効きます。
・z軸(板に垂直な軸)のまわりでは、x方向とy方向の両方の広がりが効きます。
■ 直交軸の定理
薄い板では、板に垂直な軸まわりの慣性モーメントは、板の面内の2本の軸まわりの和になります(I_z=I_x+I_y)。
薄い平板(平面図形)では、板に垂直な軸まわりの慣性モーメントは、板面内の直交する2軸まわりの慣性モーメントの和に等しい(直交軸の定理 I_z=I_x+I_y)。長方形板の中心を通る軸まわりの慣性モーメントは、質量×(その軸に垂直な方向の辺の長さ)²/12である。
キーワード: 慣性モーメント、薄板、直交軸の定理、剛体、解析