
出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題」
工場の災害対策として、恒久対策と状況対応的対策のどちらを選ぶかをデシジョンツリーで判断する問題。機会ノードの確率と端末ノードの損失額から期待総損失額を計算する。
デシジョンツリーの決定ノード・機会ノード・端末ノードから期待総損失額を計算し、恒久対策(6.5億円)と状況対応的対策のどちらを採択するかを判断する問題。
① 決定木は末端から計算: 選べる枝(代替案)は損失の小さい方、確率で分かれる枝は期待値
② S1: A1=0.5×5+0.5×7=6(<8)、S2: A1=0.6×8+0.4×10=8.8(<12)、S3: 3 → 0.6×6+0.1×8.8+0.3×3≒5.4億円
③ 5.4億円で、恒久対策6.5億円より小さいので状況対応的対策(②)
状況対応的対策の期待総損失額を、末端から順に計算する。状態S1:代替案A1の期待損失=0.5×5+0.5×7=6億円、代替案A2は8億円なので、損失の小さいA1を選び6億円。状態S2:A1の期待損失=0.6×8+0.4×10=8.8億円、A2は12億円なので、A1を選び8.8億円。状態S3:3億円。よって期待総損失額=0.6×6+0.1×8.8+0.3×3=3.6+0.88+0.9=5.38≒5.4億円。これは恒久対策の6.5億円より小さいため、状況対応的対策を採択する。したがって②が正しい。
■ デシジョンツリーの読み方
・□(決定ノード): 自分で選べる分かれ目です。損失額の小さい方を選ぶので、枝の値のうち小さい方を採用します。
・○(機会ノード): 自分では選べず、確率で決まる分かれ目です。各枝の値に確率を掛けて足した期待値を採用します。
■ 計算の順番
右端(端末ノード)から左へ順に、□では小さい方、○では期待値を求めて、1つの値にまとめていきます。最後に、左端の□で「状況対応的対策」と「恒久対策」の値を比べ、小さい方を選びます。
デシジョンツリーは、末端(端末ノード)から根に向かって計算する。機会ノードでは確率による期待値を、決定ノードでは(損失を最小にするため)最も損失の小さい選択肢を採用する。最後に、選択肢ごとの期待損失額を比較して最適案を決定する。
キーワード: デシジョンツリー、期待損失、意思決定、確率、設計・計画