
出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題」
断面積が同じで断面形状が異なる3つの単純支持ばり(4d×d、2d×2d、d×4d)のxy平面内の曲げ振動で、最も小さい1次固有振動数を持つはりを選ぶ問題。断面二次モーメントと固有振動数の関係を用いる。
同一断面積4d²・同一長さで断面形状が異なる3つの単純支持ばり(a)(b)(c)のうち、xy平面内の曲げ振動の1次固有振動数が最も小さいものを選ぶ問題。
① はりの固有振動数は√(断面二次モーメントI)に比例(材料・長さ・断面積が同じとき)。I=幅×高さ³÷12で、高さ(曲がる方向の寸法)が効く
② (a)幅d・高さ4d: 16d⁴/3、(b)2d・2d: 4d⁴/3、(c)4d・d: d⁴/3
③ 高さが最も小さい(c)の固有振動数が最小(⑤)
単純支持ばりの曲げ振動の1次固有振動数はf=(π/2L²)√(EI/(ρA))で表される。断面積A、長さL、材料が同じなので、fは断面二次モーメントIの平方根に比例する。xy平面内の曲げ(yが荷重方向)では、I=b h³/12(bは幅=z方向、hは高さ=y方向)。(a)幅d、高さ4d:I=d(4d)³/12=16d⁴/3≒5.33d⁴。(b)幅2d、高さ2d:I=2d(2d)³/12=4d⁴/3≒1.33d⁴。(c)幅4d、高さd:I=4d·d³/12=d⁴/3≒0.33d⁴。Iが最も小さい(c)の固有振動数が最も小さくなる。したがって⑤が正しい。
■ 断面二次モーメントI
断面二次モーメントは、はりの「曲げにくさ」を断面の形から表す量です。長方形の断面では、I=(幅)×(高さ)³÷12で、曲げる方向の「高さ」が3乗で効きます。同じ断面積でも、曲げる方向に背が高い断面ほど曲げにくくなります。
■ この問題での「高さ」
xy平面内の曲げ振動なので、はりはy方向にたわみます。そのため、各断面のy方向の寸法が「高さ」です((a)は4d、(b)は2d、(c)はd)。
■ 固有振動数との関係
長さ・材料・断面積が同じなら、固有振動数は√Iに比例します。Iが最も小さい(y方向に最も薄い)(c)が、最も小さい固有振動数になります。
はりの曲げ固有振動数は√(EI/(ρA))に比例する。断面積が等しければ、曲げ方向の断面二次モーメントI=bh³/12(hは曲げ方向の高さ)が小さいほど固有振動数は小さくなる。高さ方向が薄い断面ほど曲げにくさ(曲げ剛性)が小さい。
キーワード: 曲げ振動、固有振動数、断面二次モーメント、単純支持ばり、解析