
出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題」
建物の弾性荷重・終局荷重、棒の破断と固有振動数の関係、座屈現象、太く短い棒の圧壊、荷重・部材の用語定義についての記述の正誤を判定する構造力学の問題。
建物の変形・崩壊、棒の破断、座屈、圧壊、荷重・部材の用語に関する5つの記述(ア)〜(オ)の正誤を判定する問題。
① 構造の用語: 多くの部材が降伏して倒壊するときの荷重=終局荷重(弾性荷重ではない)、破断=引張強さに達して起こる、細長い棒=座屈、太く短い棒=圧壊
② ア誤で②③。イ誤(固有振動数は振動の話)で③
③ 誤・誤・正・正・正(③)
(ア)荷重を増大させ、多くの部材が降伏して荷重がそれ以上上がらなくなる状態での荷重は「終局荷重」(または崩壊荷重)と呼ばれ、「弾性荷重」ではないため誤り(弾性荷重は弾性範囲内の荷重を指す)。(イ)棒の破断は、引張応力度がその材料固有の「引張強さ(強度)」に達したために生じるものであり、「固有振動数」(振動現象に関する全く別の概念)に達したためではないため誤り。(ウ)細長い棒の両端を圧縮したときに急に力と直交する方向に変形する現象は座屈と呼ばれ、これは正しい。(エ)太く短い棒を圧縮すると座屈を起こさず、じわじわ縮んで最後は圧壊するという記述は、細長い棒の座屈とは異なる圧縮破壊の様式として正しい。(オ)建物に加わる力を荷重、荷重を支える要素を部材(構造部材)と呼ぶという記述は、基本的な構造工学の用語定義として正しい。したがってア=誤、イ=誤、ウ=正、エ=正、オ=正の組合せである③が正しい。
細長い部材の圧縮破壊は「座屈」(力と直交する方向への急激な変形)、太く短い部材の圧縮破壊は「圧壊」(じわじわ縮んでの破壊)と、破壊様式が部材の細長さによって異なる点を区別する。また、部材の破断は引張強さ(応力度の限界)によって生じるものであり、固有振動数(動的な振動現象)とは無関係である点にも注意する。
キーワード: 座屈、破断、終局荷重、設計・計画