
出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題」
3次関数f(x)=ax³+bx²+cx+dの定積分∫[-1,1]f(x)dxを、関数値の組合せで恒等的に(a,b,c,dの値によらず常に)正しく表す式を求める問題。2点ガウス・ルジャンドル数値積分公式の理解が必要。
任意の3次関数f(x)=ax³+bx²+cx+dに対して、定積分∫[-1,1]f(x)dxの値をa, b, c, dによらず常に正しく与える式(関数値の組合せ)を選ぶ問題。
① どんなa〜dでも成り立つ式を選ぶ→簡単な関数f(x)=x²を入れ、正しい値∫x²dx=2/3になるか確かめる
② ①0、②1/3+1/3=2/3、③2、④3/5、⑤1
③ ②
実際に定積分を計算すると、∫[-1,1](ax³+bx²+cx+d)dx=2b/3+2d(奇関数の項ax³, cxは対称区間で積分すると0になる)となる。一方、2点ガウス・ルジャンドル求積法の節点±√(1/3)を用いてf(-√(1/3))+f(√(1/3))を計算すると、奇数次の項(ax³, cx)はプラスマイナスで打ち消し合って0になり、偶数次の項はb(1/3)+b(1/3)=2b/3、d+d=2dとなって、2b/3+2dという同じ値が得られる。この2点ガウス求積法は3次以下の多項式を厳密に(誤差なく)積分できることが知られている。したがって②が正しい。
■ 左右対称な範囲での積分
−1から1までのように、0を中心に左右対称な範囲で積分するとき、
・x³やxのように、左右で符号が逆になる項(奇関数)は、プラスとマイナスが打ち消し合って積分が0になります。
・x²や定数のように、左右で同じ値になる項(偶関数)は残ります。∫[−1,1] x² dx=2/3、∫[−1,1] 1 dx=2 です。
そのため、3次関数の積分は2b/3+2dとなり、aとcには関係しません。
n点ガウス・ルジャンドル求積法は、2n-1次以下の多項式を厳密に積分できる(誤差が生じない)という性質を持つ。2点(n=2)の場合は3次以下(2×2-1=3)の多項式まで厳密に積分できるため、3次関数の定積分をf(-√(1/3))+f(√(1/3))という2点の関数値の和だけで正確に計算できる。
キーワード: 定積分、ガウス求積法、数値積分、解析