令和3年度 I-3-6

科目: 基礎科目 / 分野: 解析 / 年度: 令和3年度

I-3-6 問題画像

出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題」

半径a・面密度ρの一様な四分円の板(原点を中心とし、x軸・y軸に接する第一象限の扇形)の重心の座標を求める問題。極座標を用いた重心計算(積分)が必要。

解説

この問題で問われていること

半径a、面密度ρが一様な四分円の板(原点Oを中心とし、x軸とy軸に囲まれた第一象限部分)の重心の座標(x̄, ȳ)を求める問題。

解き方

① 重心のx座標=(∬x dA)÷面積。四分円の重心は、x・yとも4a/(3π)(≒0.42a)
② ∬x dA=a³/3、面積=πa²/4 → (a³/3)÷(πa²/4)=4a/(3π)。対称なのでyも同じ
③ ⑤

正解が正しい理由

四分円の板の重心は、対称性よりx座標とy座標が等しくなる(x̄=ȳ)。極座標を用いて重心のx座標を計算すると、x̄=(1/面積)∬x dA=(1/(πa²/4))∫₀^(π/2)∫₀^a (r cosθ)・r dr dθとなり、これを計算するとx̄=4a/(3π)が得られる(半円の重心が中心から4a/(3π)の位置にあることの応用)。y座標も対称性より同じ値4a/(3π)になる。したがって重心の座標は(4a/(3π), 4a/(3π))となり、⑤が正しい。

この問題で必要な基礎

■ 重心とは
重心は、板をその1点で支えるとちょうどつり合う点です。x座標は、板の各部分のx座標を面積で重み付けして平均した値になります。

■ x座標とy座標が等しくなる理由
この四分円は、直線y=xに関して左右対称(折り返すとぴったり重なる)なので、重心もこの直線上にあり、x座標とy座標は同じ値になります。

■ 極座標
円に関係する図形では、点の位置を「原点からの距離r」と「角度θ」で表す(極座標)と積分が簡単になります。このときx=r cosθで、小さな面積はr dr dθと表されます。

各選択肢について

覚えるべきポイント

半径aの半円の重心は中心から4a/(3π)の位置にあるという公式はよく知られているが、四分円(半円をさらに半分にした扇形)についても同じ4a/(3π)という値が(対称性のある各軸方向について)重心の座標として現れる。円弧を含む図形の重心を求める際は、直交座標ではなく極座標を用いて積分すると計算しやすい。

キーワード: 重心、四分円、積分、解析