令和4年度 I-1-3

科目: 基礎科目 / 分野: 設計・計画 / 年度: 令和4年度

I-1-3 問題画像

出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題」

独立な引張力と圧縮力(いずれも正規分布に従う)が同時に作用する棒部材において、合力が200N以上の引張力となる確率を求める問題。正規分布の再生性(独立な正規分布の差も正規分布に従う)の理解が必要。

解説

この問題で問われていること

平均300N・標準偏差30Nの引張力Faと、平均200N・標準偏差40Nの圧縮力Fbが独立に作用する棒部材について、合力(引張力-圧縮力)が200N以上の引張力となる確率を、標準正規分布の上側確率の表を用いて求める問題。

解き方

① 独立な2つの力の差: 平均は差、分散(標準偏差の2乗)は和。z=(値−平均)÷標準偏差で表を引く
② 平均300−200=100、標準偏差√(30²+40²)=50 → z=(200−100)÷50=2.0 → 表より2.28%
③ 1%以上5%未満(③)

正解が正しい理由

合力(引張方向を正とする)はX=Fa-Fbで表され、独立な正規分布の差もまた正規分布に従い、平均は300-200=100N、分散は標準偏差の2乗の和である30²+40²=900+1600=2500、標準偏差は√2500=50Nとなる。したがってXはN(100, 50²)に従う。合力が200N以上となる確率はP(X≥200)であり、これを標準化するとz=(200-100)/50=2.0となる。表よりz=2.0のときの上側確率は2.28%であり、これは「1%以上5%未満」の範囲に含まれるため、③が正しい。

この問題で必要な基礎

■ 標準偏差と分散
標準偏差は、値が平均からどのくらいばらつくかの目安です。分散は標準偏差の2乗です。独立な2つの量を足したり引いたりすると、分散(標準偏差の2乗)どうしが足し算になるので、合力の標準偏差は√(30²+40²)=√2500=50Nになります。

■ 標準化(z)の意味
z=(値−平均)÷標準偏差は、「その値が平均から標準偏差何個分離れているか」を表します。合力の平均100N、標準偏差50Nなので、200Nは平均から50Nの2個分上、つまりz=2.0です。どんな正規分布でもこの形に直せば、問題の表(平均0、標準偏差1の正規分布)が使えます。

各選択肢について

覚えるべきポイント

独立な正規分布に従う確率変数の差(X=A-B)もまた正規分布に従い、平均は各平均の差、分散は各分散の和(標準偏差の2乗の和)になる。この性質を使って合成後の分布を求めてから、標準化(z=(x-平均)/標準偏差)して与えられた上側確率の表を参照する、という手順を押さえておく。

キーワード: 正規分布、標準正規分布、確率計算、設計・計画

出題履歴

類題(同じ論点の別問題)