令和4年度 I-3-2

科目: 基礎科目 / 分野: 解析 / 年度: 令和4年度

I-3-2 問題画像

出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題」

3次元ベクトルa, bに関する内積・外積の性質(直交性、交換法則、反交換法則)のうち、任意のベクトルに対して必ずしも成立しない式を選ぶ問題。外積の反交換性(a×b=-b×a)の理解が必要。

解説

この問題で問われていること

3次元ベクトルa, bの内積・外積に関する5つの式のうち、任意のベクトルa, bに対して必ずしも成立しない式を選ぶ問題。

解き方

① 外積は順番を入れ替えると向きが逆(a×b=−b×a)。外積はa・bの両方に垂直で、a×a=0。内積は順番を入れ替えても同じ
② ①④は「垂直なので内積0」、③は内積の交換、⑤はa×a=0で、どれも常に成立
③ 必ずしも成立しないのはa×b=b×a(②)

正解が正しい理由

外積は反交換的(anticommutative)であり、常にa×b=-(b×a)が成り立つ。したがってa×b=b×aが成立するのは、a×b=0(aとbが平行、またはどちらかが零ベクトルである特別な場合)に限られ、任意のベクトルa, bに対して一般には成立しない。したがって②が正しい(必ずしも成立しない式)。

この問題で必要な基礎

■ 内積と外積の違い
・内積a・bは、成分どうしを掛けて足した「数」(a1b1+a2b2+a3b3)です。
・外積a×bは、aとbの両方に垂直な向きをもつ「ベクトル」です。

■ 外積は順番を入れ替えると向きが逆になる
例えばa=(1,0,0)、b=(0,1,0)とすると、a×b=(0,0,1)ですが、b×a=(0,0,−1)で、向きが反対になります。そのため一般にa×b=b×aは成り立ちません。

■ 垂直なベクトルの内積は0
2つのベクトルが垂直なとき、その内積は0です。外積a×bはaにもbにも垂直なので、(a×b)・a=0、b・(a×b)=0が常に成り立ちます。

各選択肢について

覚えるべきポイント

内積は交換法則a・b=b・aを満たすが、外積は反交換法則a×b=-(b×a)を満たす(交換法則は満たさない)という違いを区別しておく。外積の交換については符号が反転する点に注意する。

キーワード: 内積、外積、ベクトル演算、解析