
出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題」
張力Tで張られた糸の中央に物体を取り付けた振動系(系a: 長さ2L・質量m、系b: 長さ4L・質量2m)の固有振動数の比fa:fbを求める問題。復元力2Tsinθから運動方程式を立てて固有振動数を求める必要がある。
上下に張力Tで張られた糸の中央に物体を取り付けた2つの振動系(系a: 糸の長さ2L・質量m、系b: 糸の長さ4L・質量2m)について、それぞれの固有振動数fa, fbの比を求める問題。
① 糸の横振動は「ばね」とみなせる: ばね定数k=2T÷(片側の糸の長さ)。固有振動数は√(k÷質量)に比例
② (a): k=2T/L、質量m → √(2T/(mL))。(b): k=2T/(2L)=T/L、質量2m → √(T/(2mL))。比は√4=2
③ fa:fb=2:1(⑤)
系aでは、片側の糸の長さがLであり、横方向変位xに対する傾きθはsinθ≈x/Lと近似できる。復元力は2Tsinθ≈2Tx/Lであり、運動方程式m(d²x/dt²)=-2Tx/Lより、角振動数はωa=√(2T/(mL))となる。系bでは片側の糸の長さが2L、質量が2mであり、同様にsinθ≈x/(2L)、復元力は2Tx/(2L)=Tx/Lとなり、運動方程式2m(d²x/dt²)=-Tx/Lより角振動数はωb=√(T/(2mL))となる。固有振動数の比はfa:fb=ωa:ωb=√(2T/(mL)):√(T/(2mL))=√(2T/(mL)×2mL/T)=√4=2:1となる。したがって⑤が正しい。
■ 角度が小さいときの近似
角度θが小さいとき、sinθは「横のずれ÷糸の長さ」でほぼ表せます。系(a)では片側の糸の長さがLなので、sinθ≒x/Lです。
■ 単振動の振動数
物体を元の位置に戻そうとする力(復元力)が変位xに比例して「k×x」と書けるとき、物体は単振動し、角振動数はω=√(k/m)になります(kが大きいほど、mが小さいほど速く振動します)。固有振動数fはω÷2πなので、fの比はωの比と同じです。
張られた糸に取り付けられた物体の横振動では、復元力2Tsinθ≈2Tx/(片側の糸の長さ)というばね的な復元力とみなして運動方程式を立てることで、固有振動数ω=√(k/m)(k=2T/片側の長さ)の形に帰着できる。長さと質量がそれぞれ何倍になるかを追跡し、根号の中の比を正確に計算することがポイントである。
キーワード: 固有振動数、弦の振動、運動方程式、解析