
出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題」
鉄鋼とCFRPの比強度(強度を密度で割った値)を比較し、比強度当たりの価格の比を計算する材料選定問題。単位量当たりの価格・密度・強度の数値からの計算が必要。
軽量化の指標となる比強度(強度を密度で割った値)について、鉄鋼とCFRPのどちらが比強度が高いか、また比強度当たりの価格が何倍異なるかを、与えられた価格・密度・強度の数値から計算する問題。
① 比強度=強度÷密度。比強度当たりの価格=価格÷比強度
② 比強度: CFRP 2,000÷1,600=1.25、鉄鋼 400÷7,900≒0.051 → CFRPが高い。価格はCFRPが約267倍、比強度は約25倍なので、267÷25≒11倍
③ 強度を密度・CFRP・10(⑤)
比強度は「強度を密度で割った値」で定義されるため、ア=強度を密度である。鉄鋼の比強度は400[MPa]/7,900[kg/m³]≒0.0506、CFRPの比強度は2,000[MPa]/1,600[kg/m³]=1.25であり、CFRPの方が比強度が高いためイ=CFRPである。比強度当たりの価格は、鉄鋼が60[円/kg]/0.0506≒1,185[円]、CFRPが16,000[円/kg]/1.25=12,800[円]であり、CFRPの比強度当たりの価格は鉄鋼のそれのおよそ12,800/1,185≒10.8倍、すなわち約10倍である。したがってア=強度を密度、イ=CFRP、ウ=10の組合せである⑤が正しい。
■ 比強度の意味
比強度=強度÷密度は、「同じ重さあたりでどれだけ強いか」を表します。比強度が高い材料ほど、同じ強さの部品を軽く作れます。
■ 比強度当たりの価格
「価格[円/kg]÷比強度」は、同じ強さを得るためにかかるお金の目安です。CFRPは比強度では有利でも、1kgあたりの価格がはるかに高いため、この値で比べると鉄鋼より割高になります。
比強度は「強度÷密度」で定義され、値が大きいほど軽くて強い材料であることを示す。CFRPは鉄鋼より比強度は高いが、比強度当たりの価格で比較すると鉄鋼よりもかなり高価になる、というコストと性能のトレードオフを具体的な数値で確認する問題である。
キーワード: 比強度、材料選定、CFRP、設計・計画