
出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題」
支持条件の異なる3種類の柱(両端ピン支持、一端ピン他端固定、片持ち)が軸方向荷重を受けるときの座屈荷重の大小関係を問う問題。オイラーの座屈公式と有効長さ係数の理解が必要。
材料・断面・長さが同じ3種類の柱について、支持条件(a: 両端ピン支持、b: 一端ピン支持・他端固定、c: 一端自由・他端固定の片持ち柱)がそれぞれ異なるときの座屈荷重Pa, Pb, Pcの大小関係を求める問題。
① 柱の端の拘束が強いほど座屈荷重は大きい(固定>ピン>自由)
② (b)は(a)の下端を固定に強めたもの→Pb>Pa。(c)は上端が自由で最も弱い→最小
③ Pb>Pa>Pc(③)
オイラーの座屈荷重はPcr=π²EI/(KL)²で、支持条件で決まる有効長さ係数Kが小さいほど座屈荷重は大きい。柱(a)の両端ピンはK=1.0、柱(b)の下端固定・上端ピン(水平方向拘束)はK≒0.7(座屈条件tan x=xの最小根x≈4.493から、座屈荷重は約20.19EI/L²でPaの約2.05倍)、柱(c)の下端固定・上端自由(片持ち)はK=2.0(座屈荷重はPaの1/4)である。したがってPb>Pa>Pcとなり、③が正しい。
■ 座屈とは
細長い柱を上から押していくと、ある荷重で急に横へ曲がり出して耐えられなくなります。これが座屈で、そのときの荷重が座屈荷重です。
■ 図の支持記号の読み方
・三角形の記号(ピン): 横方向には動けないが、回転は自由
・横線に斜線(固定): 位置も回転も固定
・何もない端(自由): 位置も回転も自由
(a)は上下ともピン、(b)は下が固定・上がピン、(c)は下が固定・上が自由です。
■ 有効長さ
オイラーの式では、座屈荷重は(有効長さ)の2乗に反比例します。有効長さは「柱が曲がるときの波の長さ」にあたり、端の拘束が強いほど短く(座屈しにくく)、弱いほど長く(座屈しやすく)なります。
オイラーの座屈荷重は支持条件で決まる有効長さ係数Kに大きく左右される(Pcr∝1/K²)。代表的なKの値は、両端固定K=0.5、一端固定・他端ピンK≒0.7、両端ピンK=1.0、片持ち(一端自由)K=2.0であり、拘束が強い支持ほどKが小さく座屈荷重が大きくなるという関係を押さえておく。
キーワード: 座屈荷重、オイラーの座屈、有効長さ係数、解析