
出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題」
2つのばね(ばね定数k)と1つの質点(質量m)からなる3種類のばね質点系(並列2本、両側から挟む構成、直列2本)のうち、最小の固有振動数を持つものを選ぶ問題。
ばね定数kのばね2本と質量mの質点からなる3種類のばね質点系a(壁から2本のばねが並列に質点を支持)、b(質点を両側の壁から2本のばねで挟む)、c(壁から2本のばねが直列に質点を支持)について、固有振動数が最小のものを選ぶ問題。
① 固有振動数は√(ばね定数÷質量)に比例。並列はk+k=2k、直列はk/2
② a: 2本並列で2k。b: 質点を両側から支えるので並列と同じ2k。c: 直列でk/2
③ ばね定数が最小のcだけ(③)
固有振動数はω=√(k_eq/m)で表され、合成ばね定数k_eqが小さいほど固有振動数は小さくなる。系aは2本のばねが並列(質点が動くと両方のばねが同時に働く)なので合成ばね定数はk_eq=k+k=2k。系bも質点が動くと一方のばねが伸び他方が縮み、両方とも同じ向きに復元力を及ぼすため並列と同様にk_eq=k+k=2k。系cは2本のばねが直列に接続されているため、合成ばね定数はk_eq=1/(1/k+1/k)=k/2となる。したがってcの合成ばね定数k/2が3つの中で最も小さく、固有振動数ω=√((k/2)/m)も最小となる。よって③(cのみ)が正しい。
■ ばね定数と固有振動数
ばね定数kは、ばねの硬さ(1だけ伸ばすのに必要な力)です。固有振動数は、ばねにつないだおもりが自然に揺れるときの速さで、ω=√(k/m)のとおり、ばねが硬いほど速く、おもりが重いほど遅く揺れます。
■ 直列だとばね定数が半分になる理由
cのように2本を縦につなぐと、力Fをかけたとき、どちらのばねにも同じ力Fがかかり、それぞれF/kずつ伸びます。全体の伸びは2F/kなので、全体としては「力F÷伸び2F/k=k/2」の、半分の硬さのばねと同じになります。
ばねの並列接続は合成ばね定数が各ばね定数の和(k_eq=k1+k2)になり硬くなる(固有振動数が大きくなる)のに対し、直列接続は合成ばね定数が調和平均的に小さくなり(k_eq=1/(1/k1+1/k2))柔らかくなる(固有振動数が小さくなる)という違いを区別しておく。系bのように質点を両側から挟む構成は、力の向きを考えると並列接続と同じ扱いになる点にも注意する。
キーワード: 固有振動数、ばね質点系、ばね定数の合成、解析