
出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題」
8個の1Ω抵抗器が対称なひし形(ブリッジ状)に接続された回路のa,b間の合成抵抗値を求める問題。回路の対称性を利用した節点解析が必要。
上下の頂点(T, Bo)、中央の接続点(c)、左右の端子a, bを持つ、8個の1Ω抵抗器からなる対称な回路について、a-b間の合成抵抗値を求める問題。
① 使うのは、オームの法則(電圧降下=抵抗×電流)と電流則(節点で入る電流=出る電流)。左右対称な回路では、真ん中の縦線上の点はすべて同じ電位→その間の抵抗には電流が流れない。同じ抵抗n本の並列はR÷n
② aから上・中央・下の3点へ1Ωが3本並列で1/3Ω、3点からbへも1/3Ω → 1/3+1/3=2/3
③ 2/3Ω(③)
各抵抗は1Ω。a,bを左右の端子、上頂点T・下頂点B・中央点Cとする。回路はa↔bの入れ替え(左右反転)に対して対称なので、a-b間に電圧を加えると、Va+Vb−Vという反転で各節点の電位が入れ替わる。T,B,Cは反転で自分自身に移るため、電位はa,bの中間値(Va+Vb)/2になる。したがってT,B,C間の縦の抵抗(T-C間、C-B間)には電流が流れない。aから中間電位の3点(T,C,B)へは1Ωが3本並列で1/3Ω、そこからbへも同様に1/3Ωなので、a-b間の合成抵抗は1/3+1/3=2/3Ωである。したがって③が正しい。
■ オームの法則
抵抗Rに電流Iが流れると、抵抗の前後で電圧が R×I だけ下がります(この下がる分を「電圧降下」と呼びます)。電圧=抵抗×電流と同じ意味です。
■ キルヒホッフの電流則(第1法則)
道が分かれたり合流したりする点(節点)では、入ってくる電流の合計と、出ていく電流の合計は等しくなります。水の流れが途中で消えたり増えたりしないのと同じです。
■ キルヒホッフの電圧則(第2法則)
回路を出発点からぐるっと1周して戻ると、電圧の上がり下がりの合計は0になります。山を登って降りたら元の高さに戻るのと同じです。ある点からある点までの電圧は、途中の抵抗ごとの電圧降下を足したものになります。
■ 同じ抵抗の並列
同じ抵抗Rをn本並列につなぐと、合成抵抗はR÷nになります(1Ωが3本なら1/3Ω)。
■ 等電位の点
対称な位置の点は電位が等しく、その間の導線には電流が流れません。この回路はaとbを入れ替えても同じ形(左右対称)なので、上の点・中央の点・下の点は、どれもaとbのちょうど中間の電位です。そのため、これら3点をつなぐ縦の抵抗には電流が流れず、無いものとして計算できます。
抵抗回路では、まず対称性から同電位になる節点を見つける。同電位の節点間に流れる電流は0なので、その間の抵抗は無視でき、残りを直列・並列で合成できる。この問題ではa↔bの反転対称性から、T,B,Cがa,bの中間電位になる。
キーワード: 合成抵抗、ブリッジ回路、対称性、解析