令和4年度 I-3-3

科目: 基礎科目 / 分野: 解析 / 年度: 令和4年度

I-3-3 問題画像

出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題」

数値解析の精度を向上させる方法(浮動小数点演算の倍精度化、有限要素法の高次要素・要素分割の工夫、反復計算の収束判定条件)についての記述のうち、最も不適切なものを選ぶ問題。

解説

この問題で問われていること

数値解析の精度を向上する方法に関する5つの記述のうち、最も不適切なものを選ぶ問題。

解き方

① 精度を上げる操作: 倍精度にする、高次要素、ゆがみの少ない要素、変化の大きい所を細かく分割。収束判定を緩めると反復は早く止まるが、誤差が残る
② ④は計算を早く終わらせるための操作で、精度は下がる
③ ④

正解が正しい理由

Newton法などの反復計算における収束判定条件は、解の精度を保証するためのしきい値であり、これを緩和する(基準を甘くする)と、本来必要な収束精度に達する前に計算が打ち切られてしまい、得られる解の精度はむしろ低下する。反復回数が多いことへの対処としては、収束判定条件を緩和するのではなく、初期値の改善や反復法自体の見直しなどで収束を早める方法を検討すべきである。したがって「反復回数が多いので収束判定条件を緩和した」とする④の記述は、精度向上とは逆行する対応であり誤りであり、これが正答(最も不適切なもの)である。

各選択肢について

覚えるべきポイント

数値解析の精度向上策には、丸め誤差の低減(倍精度化)、離散化誤差の低減(要素の高次化・細分化・形状の適正化)などがあるが、反復計算の収束判定条件を緩めることは精度を犠牲にする行為であり、精度向上策としては逆効果になる点に注意する。

キーワード: 数値解析、収束判定、有限要素法、解析

出題履歴

同じ問題が計2回出題されています(令和元年度(再試験)、令和4年度)。