
出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題」
両端にヒンジを有する2つの棒部材AC・BC(点Cで直角に交わる、A側30°・B側60°)が点Cで鉛直荷重Pを受けるときの、両部材に生じる軸方向力の比N1/N2を求める問題。トラス構造の力のつり合いの計算が必要。
両端ヒンジの棒部材AC(水平から30°)とBC(水平から60°、ACと直角に交わる)からなる構造が、点Cで鉛直下向きの荷重Pを受けるとき、両部材に生じる軸方向力N1(AC)とN2(BC)の比N1/N2を求める問題。
① 2本の棒が点Cで直角なら、荷重Pを棒の方向に分けるだけでよい: 軸力=P×cos(棒と鉛直のなす角)
② AC(鉛直と60°): N₁=P×cos60°=P/2、BC(鉛直と30°): N₂=P×cos30°=√3P/2
③ N₁/N₂=1/√3(②)
点Cでの力のつり合いを、CA方向・CB方向(互いに直交する)に分解して考える。CA方向の単位ベクトルを(-√3/2, 1/2)、CB方向の単位ベクトルを(1/2, √3/2)とすると、水平方向のつり合いより-√3N1+N2=0(N2=√3N1)、鉛直方向のつり合いよりN1+√3N2=2Pが得られる。これらを連立して解くとN1=P/2、N2=√3P/2となり、比はN1/N2=(P/2)/(√3P/2)=1/√3となる。したがって②が正しい。
■ 力のつり合いと力の分解
点Cは動かないので、点Cにかかる力(荷重Pと、2本の棒が引っぱる力N1・N2)は、水平方向・鉛直方向のそれぞれで打ち消し合っています。斜めの力は、三角比を使って水平成分と鉛直成分に分けて考えます。
■ 30°と60°の三角比
cos30°=√3/2、sin30°=1/2、cos60°=1/2、sin60°=√3/2です。正解の理由の単位ベクトル(−√3/2, 1/2)や(1/2, √3/2)は、これらの値からできています。
点で直角に交わる2部材が外力を受けるトラスの節点では、外力を2つの部材軸方向(互いに直交)に分解することで、各部材の軸力を三角比を使って直接求めることができる。部材の角度(この問題では30°と60°)から単位ベクトルを正しく設定し、水平・鉛直方向のつり合い式を連立させることが計算のポイントである。
キーワード: トラス構造、軸方向力、力のつり合い、解析