
出典:公益社団法人 日本技術士会「技術士第一次試験 過去問題」
原料A・Bの使用量上限のもとで製品1・2の生産量を決定し利益を最大化する線形計画問題。さらに製品1の利益がΔcだけ変化しても最適な生産量が変わらないΔcの範囲を求める感度分析の問題。
原料A(上限24kg)・原料B(上限15kg)の制約のもとで、製品1(利益2百万円/kg)・製品2(利益3百万円/kg)の生産量x1, x2を決めて利益zを最大化する問題(1)と、製品1の利益が(2+Δc)に変化しても最適な生産量が(1)と同じであり続けるΔcの範囲を求める問題(2)。
① 最適解は制約の直線どうしの交点(頂点)のどれか。係数を変えても同じ頂点が最適なのは、目的関数の係数の比が、その頂点で交わる2本の制約の係数の比の間にあるとき
② 3x1+2x2=24とx1+3x2=15の交点(6,3)で利益21(他の頂点は0、16、15)。係数の比: 1/3≦(2+Δc)/3≦3/2 → 1≦2+Δc≦4.5
③ x1=6、x2=3、−1≦Δc≦5/2(⑤)
(1)制約式3x1+2x2≤24とx1+3x2≤15の交点を求めると、これらを連立して解くとx1=6, x2=3となる。この点での利益z=2(6)+3(3)=21であり、他の頂点((0,0)=0、(8,0)=16、(0,5)=15)と比較して最大であるため、最適解はx1=6, x2=3である。(2)製品1の利益が(2+Δc)になったとき、目的関数の傾き-(2+Δc)/3が、頂点(6,3)で交わる2つの制約式の傾き(-3/2と-1/3)の間に収まっていれば、最適解は変わらない。この条件を解くと-1≤Δc≤5/2となる。したがって、x1=6, x2=3, -1≤Δc≤5/2の組合せである⑤が正しい。
■ 最適解が頂点になる理由
制約を全て満たす(x1, x2)の範囲は、直線で囲まれた多角形になります。利益z=2x1+3x2が一定の値になる点を結ぶと直線になり、zを大きくするとこの直線が平行に移動します。多角形から離れる直前に最後に触れる点(頂点)が、利益が最大の点です。
■ 傾きで考える感度分析
利益の直線(2+Δc)x1+3x2=一定の傾きは−(2+Δc)/3です。頂点(6,3)で交わる2本の制約の直線の傾きは、原料A(3x1+2x2=24)が−3/2、原料B(x1+3x2=15)が−1/3です。利益の直線の傾きがこの2つの間にある限り、最後に触れる頂点は(6,3)のまま変わりません。1/3≦(2+Δc)/3≦3/2を解くと、1≦2+Δc≦4.5、つまり−1≦Δc≦5/2です。
線形計画問題の最適解は、実行可能領域の頂点(制約式同士の交点)のいずれかで達成される。目的関数の係数(この問題では製品1の利益)がどこまで変化しても同じ頂点が最適であり続けるかは、その頂点で交わる制約式の傾きと目的関数の傾きを比較する感度分析によって求められる。
キーワード: 線形計画法、感度分析、最適化、設計・計画